HERMES／エルメス トートバッグ 修理実績【レボラボ】
2021/09/23
【素材】レザー×キャンバス 【カラー】ネイビー×ダークブラウン
【修理内容】①キャンバス染色補修、②トータルカラーリペア（全体補色補修）
HERMES／エルメス
プティット・サンチュール
トートバッグ 修理実績【レボラボ】
Before 01
左正面角ダメージ画像
キャンバス部分に色あせ（退色）や擦れによるダメージがありました。
革部分にも角部分よく擦れてしまう部分に革表面の擦れ剥げを起こしておりました。
先ずは、キャンバスの染色から補修を進めさせていただきました！
After 01
【リペア・メンテナンス内容】
①全体クレンジング
②染色下処理
③キャンバス染色補修
④染料定着処理
始めにキャンバス生地の経年汚れをしっかりと専用のクリーニング剤で落とし、その後染色をしっかりと生地に浸透させるための下処理を行います。
しっかりと下処理が完了しましたら、エルメスのネイビー染料を調色作成しまして、キャンバス生地全体のお色の統一感を整えながら染色補修を行わせていただきました。
最後に染料の色落ちを抑制させるための定着処理を行なってお仕上げです！
Before 02
右正面角ダメージ画像
角縁の擦れ剥げダメージは、革の銀面（表面）が剥げてしまって網状層が見えるほどの傷になっておりました。
After 02
【リペア・メンテナンス内容】
①全体クレンジング
②保湿・栄養補給
③トータルカラーリペア（革全体補色補修）
④バッグ全体お磨き＋お仕上げ
続いて革部分にも革専用のクリーニング剤を用いて、全体のクレンジングで経年汚れを落とした後に下処理としてしっかりと保湿と栄養補給を施させていただきました。
下処理後に擦れ剥げて剥き出しになっている網状層をコーティングするための補修を施して、擦れ剥げの補修と全体のお色の統一感を整えるためのトータルカラーリペア（全体補色補修）をさせていただきました。
最後にバッグ全体をお磨きしてお仕上げです！
【リペア・メンテナンス総括】
今回のエルメスも良い仕上がりで、大変ご満足いただけました！
ご依頼のお品物は、HERMES／エルメスのプティット・サンチュールで、キャンバスとレザーのコンビ素材のトートバッグです^ ^♪
キャンバス生地は、染料を塗れば案外染まってくれそうなイメージを皆さんお持ちだと思いますが、実はなかなか染色補修も奥が深いんです。。。
例えばキャンバス生地が経年の汚れなど薄汚れている状態で染料を使用しても汚れの塗膜に覆われている状態なので染まり方に色ムラが生じたり、また生地自体に擦れやほころびがある場合でも同様に色ムラの原因になります。
革も生地も物理的には素材にしっかりと浸透させるための事前の下処理を行うことが大切です。お化粧やお料理もそうですよね(*´꒳`*)
ちなみに動物の皮革も人間のお肌と同様に必要な保湿や栄養補給をおこたると化粧ののりが悪かったり肌の荒れが気になったりと様々な類似点があるんです。
そういった点でも人間のお化粧や肌ケアには日頃から学ぶべきことが多いので、天然皮革や天然生地補修に技術や資材を取り入れたりすることも日常的にあったりするんです♪
今後も少しずつ具体的に修理職人や革タンナーがどういったケア用品を使用しているかなど紹介をさせていただきたいと思います！
