HERMES／エルメス ガーデンパーティ 修理実績【レボラボ】
2021/08/11
【素材】レザー×トワルアッシュ（キャンバス） 【カラー】マロン
【修理内容】キャンバスクリーニング、ほつれ補修
HERMES（エルメス）／ガーデンパーティ
Before 01
正面ダメージ部分画像
全体を確認すると下記の様なダメージが見受けられました。
・キャンバス生地に経年の汚れ、クスミ、変色などがありました。
・持ち手の付け根に縫製のほつれがあり、持ち手が自立していない状態でした。
・革部分全体的に色あせ、クスミ、擦れ剥げなどのダメージがありました。
After 01
【リペア・メンテナンス内容】
①キャンバスクリーニング
②持ち手ほつれ補修
ガーデンパーティのキャンバス専用に開発しましたクリーニング剤を使用してクレンジングを施させていただきました。見違えるほど綺麗な生地に戻ってくれてひと安心です。
続いて、エルメスと同系色の縫製糸を使用して元々の縫穴を再使用してステッチを掛けていきます。写真は、再縫合を終えた段階の状態です。
Before 02
底面角擦れ画像
ガーデンパーティは、特に底面の角周辺が擦れやすいので、この様な症状になっていることが非常に多いです。
今回は、革が大きく擦れ剥げてしまって下のキャンバス生地が露出してしまっている状態でした。
After 02
【リペア・メンテナンス内容】
①擦れ剥げ・破れ補正（接着補修・パテ整形など）
②トータルカラーリペア（革全体補色補修）
③革部分全体お磨き
革が擦れ剥げや破れた状態のままで補色補修を行なってしまうと表面が歪な仕上がりとなり見た目も美しくないので、先ずは擦れ剥げや破れた革表面を破れ補正して表面をしっかりと整形していき、その後に補色補修を行わせていただきました。
【リペア・メンテナンス総括】
エルメスのステッチ（縫製）は、他のブランドと異なりステッチが斜めに仕上がる様に縫製を施されているのですが、今回の再縫合時にもその表現を損なわない様にお仕上げをさせていただいております。
エルメスのガーデンパーティは、弊社へのお修理依頼の中でも非常に件数の多いバッグです。
外見からでは、非常にシンプルな構造に見えて簡単に組み立てが出来そうに思いますが、特に底面が非常に複雑な構造をしているんです。
分解してみないと見えない部分ですが、何層にも革や生地が重ねられて縫合されているので、底面のぷっくりとした立体的な構造はとても技術的に優れた職人技で仕上げられているんですね。流石は、エルメスの職人技術は凄いですねー！
